今時の転職事情を知る

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本音と建前の使いどころ

転職理由に正当性を求めるのが一番の理想ではある、ただそういったものばかりが原動力になっている人も意外と少ないものだ。そのため、大半の人は後付で何とか転職する理由がまっとうなものであると表現できるようにプレゼンしなければならない場合もある。そもそも、本来の転職理由というものは意外と企業側にすれば読めている、というふうに認識した方がいいかもしれない。本当の転職理由が知られていないと思い込むのはよろしくない、結局その後の転職時に行われる面接でいかに正当性を訴えられるかが重要だ。

ここで簡単に、一般的に転職理由となっている点として最も多い理由を紹介すると大方予想通りの結果となっている。納得する人もいるので先に紹介すると、こうなっている。

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転職理由の本音

  • 1位:上司・経営者の仕事が気に入らない
  • 2位:労働時間や環境に不満があった
  • 3位:同僚や先輩とうまく行かなかった
  • 4位:給与が低い
  • 5位:業務内容が面白く無い

見てもらえると分かるが、もはや定番中の定番理由となっている。転職を決意する理由になるのは大半がこのようなものだ、ただこれを全面的に押し出した転職理由を主張しても、同じような問題と対面したら同じように退職してしまうのではと思われてしまう。ジョブホッパーへと急転直下な展開だ、これをいかにして正当な理由にするかについては色々とやり方はあるが、ただこうした問題を一元的な側面から見るのではなく、多元的に観察した上でさらにそこから自分がどんな仕事をしていきたいのかという付加価値を載せるなどの工夫をする。

採用担当にとって転職理由の大半が建前なのは見え見えだと思えば、なおのことそれを理由にこれから自分が再就職として希望している会社でどのような展望を望んでいるのかをはっきりと答えなければならない。仕事が面白く無いと言っても、だったらどんなことをして仕事を面白くして、それをバネに企業へと貢献する材料にするかを示さなければ門前払いも同然だ。

転職理由など大半が同じもの、同じだからこそそれを企業は理解した上で、どのように成長していきたいかをアピールしてもらえなければ採用は程遠いと言っても良い。

非常識な志望理由

世の中には色々な人間が存在しているもの、それはアルバイトだろうと正社員だろうと同じこと。ただ社会ではそうした自己主張が時として大きな過ちを招いてしまうこともある、だからこそ人間関係で悩む人がいるわけであって、転職理由にもなる。そうした転職理由も後付でなんとかまともなものに変質させ、再就職できた際にどのように企業の戦力として活動していくかのビジョンを示さなければならない。

ただ調べてみると転職理由が全くといって理由もない、それ以前に何をどうしたらそうなったのかと意味不明な内容を述べたという実例があるというので見てみよう。

トンデモ志望理由

  • 延々と業界の悪口を語りだすが、転職希望先の企業が同じ業界
  • 身につけたスキルを獲得できたら起業すると、離職目的の転職
  • 彼女がいる企業だから応募した
  • 自分らしいという社風から、何故か大学時代の部活ユニフォームで面接に来た

何から話すかという以前に、どれもこれもこんな理由をはっきりと述べる人がいるのかと唖然としてしまうものばかりだ。悪口を言いたくなるのも分かるが、同じ業界への転職を希望しているのでは、人事としても対応に困ってしまう。起業することを前提に転職するというのもビジョンとしてはいいかもしれないが、面接の場で発現するのはもはややる気が無いのも同然だ。彼女がいるから、自分らしさを表現するために、というのも言葉にして説明する時間も惜しい。

こうした理由をはっきりといえばいいのだろうと思われてしまうのも、ジョブホッパーならではの性質といえる。本人たちに悪気はないのかもしれないが、面接を受けさせてもらっているという弁えを持っていないようではそもそもの説得力がないので注意が必要だ。

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転職理由から自分らしさを導き出す

理由をいくら体裁づけても本音が見透かされているという前提で考え、それをきっかけに労働者として成長していくのかをアピール出来るだけのプレゼン能力は必要だ。そもそも本当は転職をしなくてもいいのではないかという事実に、退職してから気づく人も多いという。だからこそ突発的な衝動からではなく、自分が将来どのようにステップアップしていくかを設計できているか否かで面接での受け答えも異なる。

本音と建前を使いわけながらも、自分が求める労働の形に近づくためにはただ職場を変えればいいという選択肢を導くのではなく、自分が本当にやりたい事は何かを考えることから入らなければならない。